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科学(生物学)や日々の事などをつらつらと


by HIROTAKEG

E先生の想い出(2)


4月1日のエントリーの続きになります。

  3月27日の老人研究所のエントリーにも書きましたが、E先生の所には、
  美味しいお酒が沢山ある上に、先生のお話を伺う事も出来るので、
  我々大学院生を初めとして、良く他の若い先生達も遊びに行きました。
  
   E先生は、シメイというベルギーのビールがお好きでした。当時は、この
  様なビールは珍しく、東京から取り寄せられていたようです。
  E先生の研究室のある階の共通のコールドルームの一角は、シメイビール
  の箱で占められていました。

   ある時、酒の席で先生が、我々大学院生に向かって
  「これからの若い人は、研究すべき対象が少なくなって大変かもしれん」
   と仰有いました。

   私は、「先生、お言葉ですが、生物にはまだ沢山解き明かされていない
  事がありますよ!まだまだ研究すべき事がありますよ!」と反論しました。
  E先生は、一瞬驚いた様子でしたが、すぐに優しく微笑みながら
  「そうかもしれん」とおっしゃいました。

    このときの笑顔は今も脳裏に焼き付いております。 
   昨年の7月に亡くなった事を報道で知った瞬間にも、その笑顔を思い出
   しました。 ご冥福をお祈りいたします。

   E先生のような研究者と、同じ時代に生きた事を誇りに思います。
   このような人物に接して、影響を受けた研究者が捏造をするであろうか?
   このような部分に捏造問題の本質があるように思えます。
  
    
  

  
   
by hirotakeg | 2007-04-03 22:57 | 研究